日本の大学入試では、ペーパーテスト一発勝負の一般入試(一般選抜)信仰が根強く、AO入試(総合型選抜)や推薦入試(学校推薦型選抜)に対して否定的な見方が少なくない。
難関大学を中心にAO入試や推薦入試に対する評価が高まっています。これらの入試方法で入学した学生の成績評価や大学満足度が、一般入試組に比べて高いという調査結果が出ている。
東北大は、2000年度からAO入試を導入し、国立大学で最もAO入試に熱心な大学だ。
大学入学共通テスト(当時は大学入試センター試験)を課さず11月に行うAO入試2期と、共通テストを課して2月に行うAO入試3期を続けている。
AO入学者の評価として、詳細な内容が掲載されている。修業年限でストレートに卒業した学生は、一般入試前期日程80.1%、後期日程71.1%に対して、AO2期84.1%、AO3期81.8%。GPA平均値を偏差値に換算した値は、全学教育(教養教育)で一般入試前期49.6、後期50.0に対して、AO2期53.3、AO3期52.8。専門教育のGPAも似たような数字になっており、いずれもAO入学者が高い。
AO入試の狙いについては、学力重視のAO入試を掲げ、学力に加えて意欲、熱意を測る。
早稲田大の入試方法には、一般選抜のほかにAO入試、指定校推薦があり、附属・系属校からの内部推薦、帰国生・外国学生入試などが加わる。高大接続システム改革会議に提出した資料では、入学後のGPAが最も高いのはAO入試、次いで高いのが指定校推薦とある。
AO入試で入った学生のGPAは、全般的に結構高いです。受験する学部を第一志望にしていて、入学後の目的がはっきりしているためでしょう。指定校推薦は地方出身者の割合が高く、GPAも平均値よりやや高いです。附属・系属校は学部によって違い、非常に高い学部と、そうではない学部があります。早稲田大は多様性を重視する大学なので、必ずしもGPAという数値のみで学生の良しあしを判断していませんが、客観的な評価の一つにはなります。
早稲田大の21年度の入学者を入試区分別に見ると、一般選抜51.8%、指定校推薦17.6%、附属・系属校17.5%、AO・自己推薦8.8%などとなっている。14年度入学者に比べると、一般選抜が3.6ポイント減る一方、附属・系属校が2.9ポイント、指定校推薦が2.6ポイント、AO・自己推薦が2.1ポイント増えている。
ある程度の能力があれば、早稲田の授業についていけますし、なおかつ人物がしっかりしていれば、ポテンシャルが高いです。米国では随分前からそういう選考をしていて、日本でも取り入れようという意識が強くなっています。AO、指定校推薦、附属・系属校、一般入試の枠を線引きして、基礎学力プラスアルファを求める。そのアルファの部分をどうやって見るかです。入学してからの学生の伸びしろを考えて、この比率をどうデザインするかが重要です。
16年度から特色入試を導入した京都大は、18年度の自己点検・評価報告書の中で、特色入試によって公立高校からの合格者が増加し、一般入試に比べて女子の比率が高いなど、「入学者の多様化に大きな貢献を果たしている」と評価している。
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